みなさんは、おきあがりこぼしってご存知ですか?
私はすぐに赤ちゃんのおもちゃをイメージします。
そこに何も不思議はなかった。。。
なのに!!!
長男が「ねぇ、なんでおきあがりこぼしっておきあがりこぼしっていうの?」と聞いてきたのです。
起き上がりこぼし、おきあがりこぼし、オキアガリコボシ、、?
どのように書くのかもわからない母ちゃんですが、これ機会にきちんと説明できるようになりたいです。
そもそも「起き上がりこぼし」ってどう書くの?
まず、これ気になりますよね?
「こぼしって何よ?」って。
はい。「起き上がり小法師」が正解です!
「おきあがりこぼし」「おきあがりこぼうし」と読みます。
おきあがりこぼしの由来は?
何回倒しても起き上がってくることから、「七転八倒」、
そして、縁起物として「無病息災」・「家内安全」を意味して家族の人数よりひとつ多く買うのは家族が増えるようにとの願いがこめられているおきあがりこぼし。
その由来になっているのは中国の酒胡子(しゅこし)と言われています。
酒胡子(しゅこし)とは、中国の唐の時代、木製人形で尻がとがっていて、転がして止まった先にその尻が向いた人が杯(さかずき)を受けるという遊びに用いられていました。
明の時代に紙張り子で作られるようになり、酒の席のおもちゃとなりました。
室町時代に日本に渡来し、倒しても起き上がることから、不老長寿の意味で不倒翁と呼ばれましたが、童形(小法師)に作り替えられて、こどものおもちゃになったと言われています。
江戸時代初期に京阪地方では摂津の津村(大阪市)が産地として知られ、やがて江戸へ伝えられ、広い社会層に受け入れられました。
おきあがりこぼしの「こぼし」ってなに?
「起き上がり小法師」と書くことから
「こぼし」=「小法師」
ということが分かったと思います。
では、「小法師」ってなに?と思いませんか?
はい、「小法師」とはつまり、
「こども」のことなんです。
当時の狂言【長光(ながみつ)】にも
「なに、おきあがりこぼしじゃ、子供たちの土産(みやげ)にこれがよかろう」
とあります。
番外編:会津の起き上がり小法師
起き上がり小法師と言えばあかちゃん向けのおもちゃのイメージがありますが、会津地方では少し違うようです。
会津では置物?
福島県会津地方に古くから伝わる縁起物で郷土玩具の一つと言われています。起姫(おきひめ)ともいう名前のものも。
なんと、会津地方の人にとっては、「赤べこ」の次に馴染みのある郷土玩具なのだとか。
起き上がり小法師の意外な歴史
なぜ、そんなに馴染みがあるのかというと、実はこんな歴史があるのです。
約400年前、当時の会津藩主である蒲生氏郷公が半紙に小法師を作らせ、正月に売らせたのが始まりだと言われています。
蒲生氏郷公といえば、会津人ならだれもが認める会津の偉人。
下級藩士の内職収入につなげながら、不屈の武士魂を忘れさせない狙いもあったとか。
江戸時代に藩の財政が傾いた際に作られた、殖産興業のたまものだったみたいですね。
神棚に飾ろう!
会津では、毎年初市(1月10日)に、各家族人数+1個の起き上がり小法師を買い求めます。
家族の人数より一つ多く買うのは、家族や財産が増えるように、という願掛けと無病息災・家内安全の身代わり的な意味合いからです。
1年間神棚などに飾りお供えし、一年が終わると小正月に炊き上げます。
また、この「起き上がり小法師」ですが、会津三縁起のひとつとして数えられ、他に「初音」「風車」があります。
この3つを正月に神棚に飾り、一家の繁栄と家族みんなの健康・杏勢を祈るものとして受け継がれてきました。
さいごに
オキアガリコボシについて少し知識がついたのではないでしょうか。
これで息子に少しは説明できると思います。
そして、日本でおもちゃのおきあがりこぼしを製造しているメーカーは現在1つしかないそうなので、見学に行った際にはまたレビューしたいと思います。
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